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2021年 9月 29日 不安はなぜ存在するか

一日体験

 

こんにちは。担任助手の井上です。

二週間前、私は受験後半戦はなぜつらいのかを心理学(行動経済学)の考えに基づいてお話いたしました。

今回も似たようなお話をしようかと思います。

 

さて、タイトルにもありますが、今回のテーマは「なぜ不安が生じるのか」です。

学年、成績にかかわらず、高校生は不安を抱えがちな生き物です(もちろん高校生ではないからといって不安を抱えないわけではありませんが)。

 

では皆さん、なぜ不安が生じるのかを考えたことはありますか?

「不安なんてやる気を下げたり、心の病の原因になったりで、いいことなんて一つもないじゃないか」と考える方もいるかもしれません。

実際、あの芥川龍之介も「ぼんやりとした不安」で自死を選んでいます。

 

たしかに不安にネガティブな作用は多いかもしれませんが、それだと不安を抱いたときには必ずやる気が下がったり心が病んでしまいますよね。実際そうなった経験がある方もいるかと思います。私もその一人です。

そして、それだと高校生活の中で何度もやる気が下がったり心が病んでしまいます。特に受験生だとこうなってしまう傾向が強くなるかと思います。

 

ですが、それは好ましくありませんよね。対処法はどういったものでしょうか。

 

それは「なぜ不安が生じるのか」を知り、不安の定義を変えることです。

 

心理学的な言葉を用いると二次的コントロールですね。簡単に説明しますと、変え難い状況や現実に対し、自分の考えを変えることで対応することです。

そして、その第一歩として不安がなぜ生じるかを知るという過程があります。

 

おそらく不安を消し去ることはできないので、この方法が一番早いかと思います。現に、不安をエネルギーに変えて努力している人間もいますが、このような人たちはおそらく不安の定義を自分のエネルギーになるよう定義していると考えられます。

 

 

 

それでは、なぜ不安がなぜ生じるかを考えていきましょう。

 

さて、先ほど「不安にいいことなど一つもない」という考えを紹介しましたが、本当にそうでしょうか。

 

本当に、「不安」にはネガティブな側面しかないのでしょうか。

 

この問われ方をするとなにかポジティブな面があるという誘導という形に見えてしまいますが、実際にそうではないでしょうか。

 

例えば、自分の健康に不安がある人はどういった行動をとるでしょうか。肥満が原因なら体を鍛えたり、栄養面が原因なら食生活を見直したりするかと思います。

 

では、この人は自分の健康に不安を感じなかったら、これらの行動をしたでしょうか。

 

おそらく答えは”NO”かと思います。人間の行動には必ずきっかけが存在します。そして、この人の場合そのきっかけとは「不安」です。

 

つまり、これが不安の一つのポジティブな面です。

不安とは、人が行動を起こすための原動力、車で言うところのガソリンです。

 

受験においてもこれは同じです。皆さんは第一志望に合格するか「不安」だから、いま必死に勉強していますよね。そして、その勉強で知識が広がったり、思考力が鍛えられたり、努力することの素晴らしさを学べます。

 

つまり、成長する、ということです。

 

不安とは、人間が成長するために必要な一要素なのです。そして、これが人間が不安を感じる理由です。

 

そもそも、人間の心理作用に意味がない、またはネガティブなことがないことなど存在しません。大事なのは、その心理作用をどうとらえるかです。それによって、本当に意味がなくなったりも、ポジティブな意味を持ったりもします。

 

このように、不安がなぜ存在するのかを考えていくと、不安も実は我々人間の味方であるように感じられないでしょうか。

 

そして、実際不安を味方にできる人間になれれば、不安に押しつぶされることなく、成長できます。

 

大事なのは「考え方」です。

不安に限らず、一見ネガティブなものも、何のために存在するのかを考えたら、一転味方になってくれるかと思います。

少なくとも私は不安を味方につけ、受験生活を比較的楽しんで乗り切った側の人間です。

このマインドセットが100%正しいという保証はできませんが、一度試してみる価値はあるのではないかと思います。

 

今回も長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

この話が皆さんの一助になれば幸いです。